AWS AIP(生成AIデベロッパー プロフェッショナル)は、AWS認定の中でも最難関級に位置する試験です。合格者のスコアを見ると750〜800点が大多数で、ギリギリ合格が当たり前の世界です。
私はSAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)を受けたときに「4つの選択肢がどれも正解に見える」という経験をしました。AIPでも同じことが起きると覚悟しています。
合格者・不合格者のデータを使って、「どれくらい大変か」を具体的にまとめました。勉強方法はAIPの勉強方法を参照してください。
AIP対策記事の一覧
この記事はAIP(生成AIデベロッパー プロフェッショナル)対策シリーズの1本です。
テーマ | 記事 |
|---|---|
AIPの全体像 | |
勉強の進め方・教材 | |
難易度・他資格との比較 | 難易度(この記事) |
→ この記事では「難易度」をまとめています。
AIPの難易度 — 結論から
結論から言うと、AWS最難関級の一つ です。英語圏のレビューでは「ANS(ネットワーキング スペシャリティ)以外で最も難しいAWS試験」と評価されています(Pluralsight)。

なぜそう言えるか。合格者のスコアを見れば一目瞭然です。
合格者 | スコア | 出典 |
|---|---|---|
日本語・zenn合格者 | 750点(合格ラインちょうど) | ja/01 |
日本語・note合格者 | 756点 | ja/08 |
英語ブログ合格者 | 760点 | en/11 christiangreciano.com |
日本語・Qiita合格者 | 763点 | ja/12 |
Reddit合格者 | 766点 | en/02 |
日本語・はてな合格者 | 787点 | ja/07 |
日本語・NHNテコラス合格者 | 795点 | ja/10 |
Reddit合格者 | 800点 | en/01 |
Reddit不合格者 | 735点(不合格) | en/10 |
合格ライン750点に対して800点台すら珍しい試験です。ほとんどの合格者が750〜790点の狭い帯に集中しています。
英語圏のデータでは、初回不合格率は推定25〜35%とされています(Preporato)。
他のAWS資格との難易度比較

次に「他の資格と比べてどうか」を整理します。
資格 | レベル | 難易度感 | AIPとの比較 |
|---|---|---|---|
CLF(クラウドプラクティショナー) | Foundational | 1/5 | AIPとは別次元です |
AIF(AIプラクティショナー) | Foundational | 2/5 | AIFの延長ではありません |
SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト) | Associate | 3/5 | SAAより明確に難しいです |
SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル) | Professional | 4/5 | SAPと同等かそれ以上 |
ANS(ネットワーキング スペシャリティ) | Specialty | 5/5 | ANSと並ぶ最難関です |
AIP(生成AIデベロッパー プロフェッショナル) | Professional | 5/5 | — |
日本語の13資格ランキングでは、AIPは5位に位置づけられています。SAP(1位)、ANS(2位)、SCS(3位)、DOP(DevOpsエンジニア プロフェッショナル)(4位)に次ぐ難易度です。
ただし「SAPよりAIPの方が難しかった」という声もあれば「SAP/ANSほどではない」という声もあります。方向が根本的に違うため、単純比較は難しいです。SAPは「複数のAWSサービスを組み合わせた設計力」を問い、AIPは「Amazon Bedrock(AWSの生成AIサービス)を中心とした生成AI実装力」を問います。
5分野別の難しさ

試験の中身をさらに掘り下げます。AIPの出題は5つの分野に分かれていて、分野ごとに難しさの性質が異なります(試験ガイドPDF)。
# | 分野 | 配点 | 何が難しいか |
|---|---|---|---|
D1 | FM統合・データ管理 | 31% | RAGパイプライン設計+OpenSearch。最難関分野 |
D2 | 実装と統合 | 26% | エージェンティックAI+Converse API vs InvokeModel |
D3 | 安全性・ガバナンス | 20% | Guardrails+PII検出。範囲が広い |
D4 | 運用効率 | 12% | コスト最適化。配点は少ないが捨てられない |
D5 | テスト・検証 | 11% | モデル評価。概念が新しい |
D1とD2で57% を占めます。ここを落とすと合格は厳しいです。
D1(31%)が最難関 と言われる理由は、Amazon Bedrock(AWSの生成AIサービス)が大半の問題に絡んでくるからです。ベクターストアにOpenSearchを使うパターンが頻出しますが、Reddit不合格者はここを「盲点だった」と振り返っています。Knowledge Basesの設定だけでなく、チャンキング戦略やリランクの選択まで問われるため、表面的な理解では対応できません。
D2(26%) はBedrock AgentsやConverse APIの使い分けが中心です。「Converse API vs InvokeModel、どちらを選ぶか」といったトレードオフ判断が求められます。
D3(20%) はGuardrailsの設定やPII検出の設計。範囲が広く、暗記量が多い分野です。ただし「責任あるAI」の原則を理解していれば解きやすいとも言われています。
D4(12%)とD5(11%)は配点が小さいですが、合格ラインが750点と高いため軽視できません。
合格者はどう感じたか
数値だけでは伝わらないので、合格者の生の声を紹介します。
「全選択肢が正しく見える」 — SAPと同じトレードオフ型の出題です。4つの選択肢がそれぞれ部分的に正しく、「最も適切なもの」を選ぶ判断力が問われます。知識だけでは解けません。
「後半で集中力が切れた」 — 75問を180分で解き切る体力が必要です。1問あたり2.4分ありますが、問題文が長いため体感としてはタイトです。Reddit合格者の多くが「後半の集中力維持が最大の課題だった」と語っています。
「Udemyで自信がついたのに本番は別物だった」 — Udemyコース(英語)の模擬試験で93%を取っても、AWS Skill Builder(英語)の公式模擬では69%しか取れません。この落差を知らずに受験すると痛い目に遭います。
「OpenSearchの問題が想定外に多かった」 — ベクターストアとしてのOpenSearchが頻出することを知らずに受験した人が多いです。Knowledge Basesの裏側で動いている仕組みを理解しておく必要があります。
「テストセンター受験にしてよかった」 — 180分の長丁場で途中トイレ休憩ができるのはテストセンターだけです。オンライン受験では席を離れられません。
不合格になるパターン — なぜ落ちるか
合格者の声を聞いたところで、逆に「なぜ落ちるか」も知っておくと対策が立てやすくなります。
パターン1: 座学で理解したつもり
AWS歴5年以上のベテランエンジニアが735点で不合格になっています(Beta版85問での体験、Reddit)。この方はANS(ネットワーキング スペシャリティ)とMLS(機械学習スペシャリティ)を除く全AWS資格を保有していました。原因は「Bedrockを表面的にしか知らなかった」こと。ドキュメントを読んだだけでは解けない問題が多く、実際に構築した経験の有無が合否を分けています。
パターン2: 教材の難易度を本番と混同
教材の難易度差については勉強方法の記事で解説しています。合格判定はSkill Builder(英語)の公式模擬で行ってください。
パターン3: AIFの延長で受験
AIF(AIプラクティショナー)はFoundationalレベルでAI/MLの基礎知識を広く浅く問う試験です。AIPはProfessionalレベルで「Bedrockを使って本番環境の生成AIを構築できるか」を問います。名前は似ていても、求められるスキルの深さは根本的に別物です。
パターン4: 後半の精神的疲労
75問を180分で解くのは想像以上に消耗します。「前半は順調だったのに、最後の15問で集中力が切れた」というのがRedditで繰り返し出ている声です。試験前日に180分のフルシミュレーションを1回やっておくだけで、ペース配分の見通しが変わります。
AIPを受けるべき人・まだ早い人
ここまで読んで「私はどうなのか」が気になるはずです。
受けるべき人
- AWSの基盤が固まっている(CLF + SAAレベルの知識がある)
- Bedrockで1つでもプロジェクトを動かしたことがある
- RAGの概念を理解し、ベクターストアの仕組みがわかる
- Skill Builder(英語)の公式模擬で安定して高得点が取れる(具体的な基準はC1参照)
まだ早い人
- AWS未経験 → まずCLF(クラウドプラクティショナー)完全ガイドから
- Bedrockを触ったことがない → まずBedrockのチュートリアルから
- 座学のみで受験しようとしている → RAGアプリのハンズオンが必須
- 模擬試験で70%未満 → AIPの勉強方法でStep 2を強化
よくある質問
合格率は何%?
AWS公式は非公表です。詳しくは上の「AIPの難易度 — 結論から」セクションをご覧ください。
何点で合格?
750/1000です。採点対象は75問中65問。残り10問は検証用で識別できません。
SAPとどちらを先に受けるべき?
方向が違います。インフラ設計を極めたいならSAP、生成AIの実装力を証明したいならAIPです。両方を目指すなら、先にSAPを取ってからAIPに挑むのが一般的です。
出題形式はSAAやSAPと同じ?
択一選択・複数選択に加えて、AIPには「並べ替え」と「内容一致」という新しい出題形式があります。CLF/SAA/SAPにはない形式で、プロセスの理解が求められます。
AIPに落ちたらいつ再受験できる?
14日後から再受験可能です(AWS公式ポリシー)。回数制限はありません。スコアレポートで分野別の強み・弱みを確認してから再挑戦してください。
この記事を書いた人 — スピードスタディ編集部。AWS認定6資格(CLF/SAA/SOA/DVA/SAP/DOP)を保有するエンジニアが、AWS資格対策の学習プラットフォーム「スピードスタディ」を開発・運営しています。
記事内の試験情報はAWS公式ドキュメントに基づいています。最新情報はAWS公式の認定ページでご確認ください。
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Speed Study編集部
AWS認定資格の学習をサポートするSpeed Study公式編集部です。