この記事のまとめ
AWS CLF(クラウドプラクティショナー、現行版 CLF-C02)の 難易度・合格率・不合格パターンを具体データで判定 する記事です。
- 対象: AWS実務経験者からIT未経験まで、CLF受験を考えている全ての人
- 分かること: 自分のレベル別の体感難易度(偏差値43)、合格率推定60%の根拠、不合格パターン3件と回避策
- 対象試験: CLF-C02(現行版、2023年9月リリース、旧版CLF-C01は対象外)

はじめに
AWS CLF(クラウドプラクティショナー)の合格率は推定60%です。3〜5人に1人は不合格になっている計算で、難易度は偏差値43、ITパスポート(45)よりやや易しい位置づけです。
AWS認定12種類の中で唯一のFoundational(基礎)レベルで、IT未経験者でも30〜60時間の学習で合格を狙えます。試験範囲外の5タスク(コーディング・設計・トラブルシューティング・実装・負荷テスト)が公式で明記されているので、コードが書けなくても受かります。
ただし「簡単」と聞いて油断すると落ちます。AWSは合格率を公表していないので、複数の推定ソース(aws-exam.net 約60%、レバテックキャリア 50〜70%)から60%という数字が出ているだけ。本文では推定根拠と不合格パターン3件を整理して、ご自身のレベルでの体感が分かるようにまとめました。
私はAWS認定を6つ持っていて、CLFは最後に取りました。807点。
正直、もっと取れると思っていました。その経験も踏まえて、CLFの難易度を具体的に整理しています。
CLF対策記事の一覧
この記事はCLF(クラウドプラクティショナー)対策シリーズの1本です。
テーマ | 記事 |
|---|---|
CLFの全体像 | |
勉強の進め方・学習ステップ | |
必要な勉強時間・スケジュール | |
難易度・合格率・他資格との比較 | (この記事) |
教材の比較・選び方 |
→ この記事では「難易度と合格率」を掘り下げています。
CLFの難易度を一言で
IT資格としては入門レベルです。ただし、ITの前提知識があるかどうかで体感は大きく変わります。
あなたのレベル | CLFの体感 |
|---|---|
AWS実務経験あり | ほぼ勉強なしでも合格できます |
エンジニア(AWS未経験) | 2〜3週間で十分です |
ITパスポート程度の知識あり | 1ヶ月あれば合格圏です |
IT知識がほぼゼロ | 40〜60時間の学習が必要です |

AWSが公式に定めている受験対象者は「クラウド経験6か月以下」の方です(出典: AWS公式 CLF-C02 試験ガイド P.1)。AWS認定12種類の中でFoundational(基礎)レベルに位置する唯一の試験で、Associate(アソシエイト=中級、SAA・DVA・SOA)/Professional(プロフェッショナル=上級、SAP・DOP)/Specialty(スペシャリスト=専門分野別)の上位3階層よりも初学者寄りに設計されています。
英語圏のRedditを見ていると、IT経験者と未経験者で評価が真っ二つに分かれているのが印象的でした。IT経験者からは「incredibly easy(信じられないほど簡単)」という声が上がる一方、合格報告者本人が「The exam was very hard. More difficult than any other mock exams(試験は本当に難しかった。世に出ている模試よりも難しい)」と書き残している投稿もあります(出典: Reddit r/AWSCertifications 合格報告)。
つまり、AWSやIT経験の有無で体感は別物です。経験ゼロの方は「easy」評価を鵜呑みにせず、ご自身のレベルに合わせて準備してください。
私の場合は、上位資格を5つ取った後のCLFでした。テクノロジーとセキュリティは仕事の延長で解けましたが、請求まわりで取りこぼしました。油断は禁物です。
勉強時間の詳しい目安は勉強時間の目安をご覧ください。
他のIT資格との難易度比較
偏差値43と言われてもピンとこない方が多いと思います。身近なIT資格と並べてみました。
資格 | 偏差値 | ひとこと |
|---|---|---|
MOS(Microsoft Office Specialist) | 39 | Officeが使える証明 |
CLF(クラウドプラクティショナー) | 43 | AWSの基礎知識 |
ITパスポート | 45 | IT全般の入門 |
CCNA(ネットワーク) | 46 | ネットワークの初級〜中級 |
基本情報技術者 | 49 | エンジニアの登竜門 |
出典: KOTORA JOURNAL「IT資格の難易度徹底解剖」
※偏差値はKOTORA JOURNALの独自評価で、AWS公式の発表ではありません。AWS自身は他資格との難易度比較や偏差値を公表していません。

ITパスポートを持っている方なら、CLFは射程圏内に入ります。基本情報技術者を持っている方なら、かなり余裕があるはずです。
ただし注意点が1つあります。CLFは「IT全般」ではなく「AWSのサービス」に特化した試験です。EC2、S3、Lambdaといったサービス名と役割を覚えなければ解けません。ITの基礎知識があっても、AWS固有の暗記は別途必要になります。
ドメイン別の難しさ
他資格との比較で全体の位置づけが見えたところで、次はCLFの中身です。出題は4つのドメインに分かれていて、ドメインごとに難しさの質が違います。
# | ドメイン | 配分 | 特徴 |
|---|---|---|---|
D1 | クラウドのコンセプト | 24% | 概念理解が中心 |
D2 | セキュリティとコンプライアンス | 30% | 責任共有モデルがカギ |
D3 | クラウドテクノロジーとサービス | 34% | サービスの暗記量が最大 |
D4 | 請求、料金、サポート | 12% | 配点は小さいが、知らないと解けない |
出典: AWS公式 CLF-C02 試験ガイド P.3
D3(テクノロジー)とD2(セキュリティ)で合計64%です。この2分野が合否を左右します。
D3はEC2・S3・Lambda・RDS・DynamoDB・CloudFrontなど、主要サービスの特徴と使い分けが問われます。サービス名と役割の暗記量が一番多い分野です。不合格者の体験記を読み比べていると、「サービスの違いがわからなかった」という声が独立した複数の記事で挙がっていました。
意外と落とし穴になるのがD4です。配点12%、サポートプラン4種類(Basic/Developer/Business/Enterprise)の違いやリザーブドインスタンスの料金体系など、知識がなければ手が出ない問題ばかりです。普段の業務では意識しない分野なので、後回しにすると本番で詰みます。
私はテクノロジーとセキュリティは仕事で触るサービスばかりで、解説を読まなくても答えがわかりました。止まったのはD4でした。サポートプランの違いを聞かれたとき、一瞬固まりました。
「たかが12%」と甘く見ていたのが、そのままスコアに出てしまったわけです。
合格率はAWSが公表していない
ドメイン別の難しさが見えてきたところで、「結局、合格率は何%なのか」に触れます。
AWSは合格率を公表していません。CLFに限らず、12種類すべての認定資格で共通の方針です。AWS公式のCLFページ、再認定ページ、試験前ポリシーページ、PDF試験ガイドのいずれにも合格率の数値は掲載されていません(出典: AWS公式 CLF認定ページ)。
ネット上で「推定60%」「約70%」といった数値を見かけますが、根拠が明示されていないものがほとんどです。第三者の推定値を比較すると、おおよそ次のレンジに収まります。
推定元 | 合格率 | 根拠 |
|---|---|---|
aws-exam.net | 約60% | 類似試験からの類推 |
レバテックキャリア | 50〜70% | AWS認定全体の分析 |
出典: aws-exam.net「CLF合格率」 / レバテックキャリア「AWS認定12種類」
中央値はだいたい60%、つまり10人受けると4人が不合格になっている計算です(失敗率約40%)。
正直、断言できる数字はありません。
「AWS最易」と言われていても、準備不足で受ければ普通に落ちます。合格率の数字で安心するより、模擬試験のスコアで自分の仕上がりを判断するほうが確実です。
合格点の仕組み
合格率の話に続いて、もう1つ知っておくべきなのが合格点の仕組みです。模試スコアで仕上がりを判断するためにも、合格点の決まり方を正確に押さえておく必要があります。CLFの合格点は少し独特で、ここを誤解すると本番で焦ります。
まずは数字を整理します。CLFの合格ラインは100〜1,000の換算スコア(scaled score、AWS独自の補整スコア方式)で700点です。試験は65問・制限時間90分で進めます。
「700/1000=正答率70%で合格」と書いている記事をよく見かけます。ただし、この説明は事実と異なります。AWSが採用しているのは補整スコアリングモデル(scaled scoring model)で、試験全体のスコアで合否が判定される仕組みだからです。単純に「何問正解すれば合格」とは言えません(出典: AWS公式 CLF-C02 試験ガイド P.3)。
「換算スコア」という言葉は初めて聞くと違和感があると思います。要するに、難しい問題に正解すると重みが大きく加算され、簡単な問題は重みが小さい、という仕組みです。
採点対象外の15問
もう1つ押さえておきたいのが、採点対象外の問題です。65問のうち採点されるのは50問で、残り15問はAWSが将来の試験設計のためにデータを収集する目的で含まれています(出典: 同上 PDF P.2)。
どれが対象外かは受験者にはわかりません。「この問題は捨てていい」という判断ができない仕組みなので、全問真剣に解いてください。
解答戦略でもう1点押さえておきたいのが、未解答の扱いです。未解答は不正解扱いになりますが、推測ペナルティはありません。わからない問題でも空欄にせず、何かしらマークしてから次に進むのが鉄則です。
模擬試験80%が安全ライン
換算スコアの性質上、正答率70%では合格に届かない可能性があります。模擬試験で安定して80%以上を取れる状態が安全ラインです。
合格者45件のデータ(note/Qiita/Zenn等の合格体験記、2024年〜2026年5月収集、合格スコア明記分のみ集計)でも、スコアは749〜838の範囲に収まっていました。80%を目安に準備すれば、700を余裕で超えられます。
不合格になる人の共通パターン
合格点の仕組みを踏まえた上で、実際に不合格になった方の事例を見ていきます。「簡単」と言われるCLFでも、落ちる人には共通パターンがあります。

暗記だけに頼って21点足りなかった
IT未経験から1ヶ月間、有料学習プラットフォームで学習してCLFに挑んだ方の事例です。結果は21点足りずに不合格でした。
不合格の原因として語られたのは「サービスの名前は覚えた。でもS3とEBSの使い分けを聞かれたときに答えられなかった」という振り返りでした。
CLFは暗記で解けそうに見えて、実はサービス間の比較問題が多い試験です。名前を覚えただけでは通用しません。
参考書だけで挑んで673点
2件目の事例は、参考書を読み込んで自信を持って受験した方です。結果は673点で不合格、あと27点足りませんでした。
再受験で変えたのは1つだけです。Udemyの模擬試験講座(6回分の演習テストが収録されたもの)を繰り返し解いたことでした。参考書で「わかった気」になっていた部分を、問題を解くことで洗い出した結果、合格しています。
読むだけでは足りません。解かないと見つからない穴があります。
3回不合格、でもSAAは一発合格
3件目は少し変わったケースです。CLFに3回落ちた方が、その後SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)に一発で合格しています。
何が変わったかというと、毎回同じ参考書と問題集で受け直すのをやめて、学習方法を根本から見直したそうです。
不合格の原因を分析せずに同じやり方でリトライしても、結果は変わりません。
出典: アジアクエスト「CLFに3回落ちた私がSAAに一度で合格」
不合格者に共通する弱点分野
3件の事例で共通していたのは、D3(テクノロジー)とD4(請求・料金)での得点不足です。D3は出題比率34%で最大のウェイトを占めます。ここが弱いとシンプルに点が足りません。D4は12%ですが、知らないと手が出ない問題ばかりです。
ここで安心していただきたいのは、CLFの試験範囲外がAWS公式で明記されている点です。次の5つは出題されません(出典: AWS公式 CLF-C02 試験ガイド P.2)。
- コーディング
- クラウドアーキテクチャの設計
- トラブルシューティング
- 実装
- 負荷テストとパフォーマンステスト
コードが書けない方や設計経験がない方でも合格できる試験です。IT未経験から3週間で合格した方の体験記も複数残っているので、必要以上に身構える必要はありません。
対策は明確です。問題集を繰り返し解いて弱点を見つけ、集中的に補強してください。具体的な勉強方法は勉強方法ガイドに、教材選定は教材ガイドにまとめています。
よくある質問
不合格パターンを踏まえた上で、CLF受験前によくある6つの疑問を整理します。
Q. AWSで一番簡単な資格は?
CLF(クラウドプラクティショナー)です。AWS認定12種類の中で唯一のFoundational(基礎)レベルで、最も取りやすい資格になります。
Q. 落ちたらどうなりますか?
14日後に再受験できます。受験料(100 USD、16,500円相当、為替により変動)は毎回かかるので、スコアレポートで弱点を確認してから再挑戦するほうがお得です。再受験回数の上限はありません(出典: AWS Certification policies)。
Q. 独学で受かりますか?
受かります。合格者のほとんどが独学です。参考書1冊(約3,000円)+ Udemy模試(セール時約2,000円)の計5,000円程度が最も多い組み合わせでした。AWS Skill Builder(AWS公式の無料学習プラットフォーム)の無料コースだけで838点を取った合格者の記録もあります。
Q. IT未経験でも合格できますか?
合格できます。40〜60時間の学習が必要ですが、試験範囲外の5タスク(コーディング・設計・トラブルシューティング・実装・負荷テスト)がAWS公式で明記されているので、コードが書けなくても問題ありません。具体的な勉強方法は勉強方法ガイドをご覧ください。
Q. CLFだけで転職に有利ですか?
正直なところ、CLFだけで転職市場が大きく変わることはありません。非エンジニアがクラウドの基礎を証明するには有効で、社内異動や営業職のIT理解、コンサルでのクラウド提案などには活用できます。エンジニアとしてアピールするならSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)まで取るのが一般的です。
Q. 過去問はありますか?
AWSは過去問を公開していません。AWS公式練習問題集(無料・20問)やUdemy模擬試験が代わりの定番です。教材の詳しい比較は教材ガイドにまとめています。
CLFの試験対策にはスピードスタディも活用できます。月額1,280円で、CLFを含むAWS認定の問題演習ができます。
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CLFの体感は人それぞれです。本文では合格者45件の体験記を読み比べてスコア分布と勉強時間の傾向をまとめ、4段階レベル別テーブルに反映しました。ご自身のレベルに近い行を起点に、不合格パターン3件を回避策として併せて読んでください。
この記事を書いた人 — スピードスタディ編集部です。AWS認定6つ(CLF/SAA/SOA/DVA/SAP/DOP)を保有するエンジニアが、AWS資格対策の学習プラットフォーム「スピードスタディ」を開発・運営しています。この記事の執筆者はCLFを取得しています。
記事内の試験情報はAWS公式ドキュメントに基づいています。最新情報はAWS公式の認定ページでご確認ください。
Speed Study編集部
AWS認定資格の学習をサポートするSpeed Study公式編集部です。